顎変形症の治療
顎変形症治療の流れ、外科的手術の術式、
治療段階別平均的治療期間と治療費のご案内。

顎変形症治療の現状
統計データでも分かる通り、顎変形症の手術件数は年々増加しています。
当センターでは2019年まで毎年、全国の手術件数のおよそ1%に当たる件数の治療を行っておりましたが、2020年後半より現在のチーム医療体制に強化したことで受け入れ可能件数が増加。それに伴い治療件数は約2倍強に増加しています。
2020年以降の当センターでの治療件数はこちら:当センターでの顎変形症治療件数
●その他統計データ
[引用]日顎変形誌 33(1):22-29,April,2023
本邦におけるレセプト情報・特定健診等情報データベースを用いた顎矯正手術の実態調査
※特定非営利活動法人 日本顎変形症学会が実施した学会員へのアンケート集計結果。
| 年度 | 女性の治療件数 | 男性の治療件数 | 合計 |
|---|---|---|---|
| ~2019年 | ● | ● | 413 |
| 2020年 | 32 | 7 | 39 |
| 2021年 | 45 | 14 | 59 |
| 2022年 | 52 | 12 | 64 |
| 2023年 | 58 | 4 | 62 |
| 2024年 | 55 | 14 | 69 |
| 2025年 | 44 | 20 | 64 |
- 10代 10%
- 20代 53%
- 30代 22%
- 40代 9%
- 50代 4%
- 60代 2%
当センター 2021〜2023年
- 10代 26%
- 20代 48%
- 30代 17%
- 40代 7%
- 50代 2%
日本国内 2014〜2019年
[引用]日顎変形誌 33(1):22-29,April,2023
本邦におけるレセプト情報・特定健診等情報データベースを用いた顎矯正手術の実態調査
※特定非営利活動法人 日本顎変形症学会が実施した学会員へのアンケート集計結果。
- 出っ歯・口ゴボ 49%
- 受け口 34%
- 顔面非対称 12%
- 開咬 5%
当センター 2021〜2023年
- 出っ歯・口ゴボ 31%
- 受け口 65%
- 顔面非対称 4%
日本国内 2014〜2019年
[引用]日顎変形誌 33(1):22-29,April,2023
本邦におけるレセプト情報・特定健診等情報データベースを用いた顎矯正手術の実態調査
※特定非営利活動法人 日本顎変形症学会が実施した学会員へのアンケート集計結果。
顎変形症治療の流れ
顎変形症の治療には各分野の専門医師が治療にあたります。
初診/カウンセリング

矯正歯科専門医 河合悟(センター長)がカウンセリングを行います。
症状、気になる点などお聞かせください。
過去の症例やモックなどを利用し、現状の問題点、治療の必要性を分かりやすく説明し、治療による改善内容(咬み合わせや顔貌イメージ等)を共有します。
| 担当医 | 矯正歯科専門医 河合 悟(センター長) |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
精密検査

レントゲン/CTスキャン/口腔写真撮影
無呼吸検査
精神検査
を行います。
| 担当医 | 矯正歯科専門医 河合 悟(センター長) |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
専門医チームによるカンファレンス

カウンセリング及び精密検査結果より、専門医チームによるカンファレンスを実施します。
カンファレンスでは、
治療方針、術式の選定、治療計画の作成を行います。
※患者さんのカンファレンスへのご参加は不要です。
| 担当医 | 専門医チーム |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
口腔外科医による手術に関するカウンセリング

口腔外科医が手術や手術に伴う合併症のリスクを説明し、手術への同意を確認します。
また、術前、術後、入院期間中の注意事項の説明を行います。
この時点で全体の大まかな治療スケジュールを決定し、必要な医療機関へ伝達、連携を行います。
| 担当医 | 口腔外科医 升井 一朗(手術チームリーダー) |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
内科、麻酔科による全身状態の検査

手術は全身麻酔をかけて行いますので、事前に内科・麻酔科による
問診
聴診
血液検査を行います。
| 担当医 | 内科医・麻酔科 原田 迅明 |
|---|---|
| 場 所 | 内科麻酔科原田医院 (福岡市天神) |
一般歯科を受診

虫歯がある場合は先ず一般歯科を受診し治療を行っていただきます。
また、矯正治療計画の元、歯数が必要な場合は先ず抜歯を行っていただきます。
| 担当医 | 一般歯科医 望月 在秀 |
|---|---|
| 場 所 | 望月歯科医院 (福岡市天神) |
術前矯正治療

治療方針及び治療計画の元、術前の矯正治療を行います。
術前矯正では、手術後の顎の位置を想定して上下顎の咬み合わせになるよう歯列を調整します。
※以降、術前矯正の経過を見て手術スケジュールを調整します。
| 担当医 | 矯正歯科専門医 河合 悟(センター長) |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
顎矯正手術

入院の上、全身麻酔下で顎矯正手術(上下顎移動術+オトガイ形成術)を行います。
執刀医は入院先によって異なりますが、オペには手術チームリーダーが参加します。
| 担当医 | 口腔外科医 升井 一朗(手術チームリーダー) 口腔外科医 近藤 誠二 |
|---|---|
| 場 所 | 広瀬病院 歯科口腔外科 (福岡市中央区渡辺通り) 福岡大学 歯科口腔外科 (福岡県福岡市城南区七隈) |
手術管理

入院の中、歯科医師、歯科衛生士、看護師が術前から全身の管理を行い、手術後早期から歯科衛生士が開口訓練、舌トレーニング等の口腔リハビリや指導を担当し、早期の回復を目指します。
| 担当医 | 口腔外科医 升井 一朗(手術チームリーダー) 口腔外科医 近藤 誠二 |
|---|---|
| 場 所 | 広瀬病院 歯科口腔外科 (福岡市中央区渡辺通り) 福岡大学 歯科口腔外科 (福岡県福岡市城南区七隈) |
術後矯正治療

治療方針及び治療計画に沿って、術後の矯正治療を行います。
術後矯正では、正常な位置に移動した上下顎骨の咬み合わせが緊密になるように歯列を調整します。
| 担当医 | 矯正歯科専門医 河合 悟(センター長) |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
保定

術後矯正治療で歯列が整った後、矯正装置を外した後、「正常な歯列位置の維持」と「咬む機能の回復」のため、保定期間に移行します。保定期間は、保定装置(リテーナー)を(1日20時間以上)装着することで正常な咬み合わせを維持しつつ、正しく咬むことによって咬む機能の回復を行います。
※保定期間は数カ月に1回の通院となります。
| 担当医 | 矯正歯科専門医 河合 悟(センター長) |
|---|---|
| 場 所 | 樋口矯正歯科クリニック (福岡市中央区天神) |
プレート撤去

術後矯正治療が終了し、矯正装置を取り外した後、顎骨を固定していた金属プレートを取り外します。
プレート撤去手術は全身麻酔下で口腔内を切開して摘出しますので、一般的に3〜4日の入院が必要となります。
| 担当医 | 口腔外科医 升井 一朗(手術チームリーダー) 口腔外科医 近藤 誠二 |
|---|---|
| 場 所 | 広瀬病院 歯科口腔外科 (福岡市中央区渡辺通り) 福岡大学 歯科口腔外科 (福岡県福岡市城南区七隈) |
当センターの顎矯正手術とその特徴
顎矯正手術で上下の顎の位置を決定する主な方法は、「シングルスプリント法」と「ダブルスプリント法」の2つがありますが、当センターでは、シングルスプリント法を採用しています。
シングルスプリント法は、
- Step1.上下顎骨を切断して移動。
- Step2.正しく咬み合わせの状態で上下顎を一体化した状態で顎の位置を決定。
する方法です。
高い技術力と豊富な経験を必要とする方法ですが、最初に咬み合わせを基準として顎の位置を決定するため、正確な咬合の正確性に優れています。
・手術中に顎の変化や口元のバランスを確認しながら顎位置を調整できる。
さらに当センターでは、上下の位置決定後、顔面形態や口腔間隙の状態を評価し、必要に応じてフェイスライン、Eラインを整えるオトガイ形成術(※)を併用しています。
※形成術は、手術と同時に行う場合と、口腔の状態を確認した上で行う場合があります。
顎矯正手術において上下の顎を一つのかたまりとして同時に動かす方法です。
手術前に予定する咬み合わせのマウスピース(スプリント)を作製し、骨切り完了後、このマウスピースを用いて上下顎を固定した状態で顎の正体位置を調整します。
| 特 徴 | 咬み合わせを固定した状態で手術を行う。 顔全体のバランスを見ながら調整できる。 |
|---|---|
| メリット | 術後の咬み合わせが安定しやすい。 顔のバランス(見た目)を細かく調整できる。 咬む・話すなどの機能と見た目の両方の改善をしやすい。 |
| 注意点 | 高度な技術が必要で、対応できる医師が限られる。 |
顎矯正手術において上顎から下顎を段階的に顎の位置を決める方法です。
手術前に上顎位置確認のマウスピース(スプリント)と予定する咬み合わせのマウスピース、2種類のマウスピースを使い、まず上顎、次に下顎と段階的に顎の位置を決定する方法です。
| 特 徴 | 上あご→下あごの順で位置を決める。 シミュレーション結果をもとに手術する。 |
|---|---|
| メリット | 手術前に動きを計算できる。 手術が標準化されており、多くの施設で実施されている。 |
| 注意点 | 計画と実際の体の状況に差が出ることがある。 術後の咬み合わせにズレが生じる可能性がある。 |
外科手術の術式
顎変形症治療の外科的手術の術式は、
上顎形成術:ル・フォーI型骨切り術(Le Fort I)
下顎形成術:下顎枝矢状分割術(SSRO)
上下顎同時手術:オトガイ形成術(Genioplasty)
を組み合わせて行われます。
※症状によって上顎、下顎の手術術式が異なる場合もあります。
症状別の手術術式
- SSRO+Le Fort I 51%
- SSRO+Le Fort I+Genioplasty 49%
当センター 2021〜2023年
- SSRO 50%
- Le Fort I+SSRO 34%
- +Genioplasty 16%
日本国内 2014〜2019年
[引用]日顎変形誌 33(1):22-29,April,2023
本邦におけるレセプト情報・特定健診等情報データベースを用いた顎矯正手術の実態調査
※特定非営利活動法人 日本顎変形症学会が実施した学会員へのアンケート集計結果。
手術術式解説
鼻の根もとから上顎骨を水平方向に切り、前後・上下・回転など自由度の高い移動を行います。
特徴:上顎の位置を自由度の高い範囲で調整できるため、複雑な咬み合わせの改善に非常に有効です。
メリット
- 「顔の長さ(中顔面)」を短縮できる。
- 上を上方に移動させることで、歯ぐきが大きく見える状態を改善し、小顔効果を得ることができます。
- ガミースマイルの根本的な改善。
- 手術時に上に上げてしまうと、鼻先や鼻孔が大きくなる恐れがあります。逆に下に引き伸ばすと、逆さに引っ張るといった複雑な調整が可能です。さらには回転させるといった複雑な動きが可能です。
- 横顔のバランス(Eライン)の整備。上顎の動きで、鼻、口元、顎先のラインが美しいバランスになります。
- 顎の出っ歯・引っ込みを直接調整できます。
- 手術はすべて口の中から行うため、顔の表面に傷が残ることはありません。
デメリット
- 鼻の形が変化する可能性がある。
- 手術後は鼻の土台が大きくなりやすく、「鼻翼(小鼻)が広がる」、「鼻先がわずかに低くなる・上を向く」といった変化が起こることがあります(これを防ぐために鼻の付け根を縫縮する処置を施術するのが一般的です)。
- 短期間神経麻痺のリスク。
- 上歯や歯茎、鼻の周辺の感覚が一時的に鈍くなることがあります。数カ月で回復しますが、一部に感覚が残ることがあります。
- 術後の腫れが長期になりがち。
- 上顎の周囲は血管が多いため、術中や術後(出血のリスクがあります)。数カ月間は通院が難しい時期があります。
- 術後プレート(金属)が残ること。金属プレートが入るため、術後に異物感や炎症が起きることがあります。
- 上顎にある空洞(上顎洞)を縫う手術であるため、術後に鼻に炎症や炎症が起きることがあります。
「ル・フォーI型」は鼻の横(側方)での切骨で、ル・フォーII型はさらに上位(鼻の付け根や眼窩縁と頬骨の一部)を骨切りして、III型はさらに上位(額の中央(中顔面)が大きく凹んでいるなど、特定の疾患(クルーゾン症候群やアペール症候群など)に伴う複雑な形態異常(形成異常)に対して行われる高度な手術です。
顎変形症外科の範囲の処置ではなく、一般に口腔顔面外科医では実施しません。
メリット
- 中顔面体の突出不足を改善
- 鼻だけでなく、顔全体の顔の中の立体位置を出すことができます。
- 鼻のラインの修正
- 上顎に一緒に鼻の骨も動かすため、鼻先が若干さらなる注意が必要です。
デメリット
- 手術侵襲が非常に高い。
- 鼻の骨(篩板)や目(眼窩)に近い切骨部を骨切りするため、高度な技術を要します。
- 十分な術前準備が必要。
- 神経・涙液への影響。神経や涙の通路(涙道)の近くを通るため、合併症リスクがI型よりかなり高まります。
受け口(下顎前突)や下顎後退など、下顎のズレを改善するために最も広く行われる手術で、最も下顎枝の骨を内側と外側の2枚に切り割し、間隔が広がった内側骨をスライドさせて下顎の位置を移動します。
移動後の骨接触面積が大きいため、骨がくっつきやすく、下顎の「前に出す」ことも「下げる」ことも可能です。
現在、世界では最も日本でも最も標準的な術式です。
メリット
- 移動範囲が非常に広く、受け口だけでなく、下顎が小さい場合は前方に出せますや、顎が小さい場合は前方に出すことも、左に回転させることも可能です。あらゆる方向に下顎を動かせる柔軟な術式です。
- 骨がくっつきやすく、安定が良い
- 骨同士の接触面積が非常に大きく、手術の際の(くっつき具合)がスムーズです。そのため、術後の「壊死」のリスクが低いとされています。
- 早期に機能回復が可能
- 分割した骨をプレートやネジでしっかり固定(強固固定)できるため、術後に上下の歯のワイヤーで固定する「顎間固定」の期間を短縮あるいはゼロにできます。
デメリット
- 知覚神経麻痺のリスクが高い。
- 下顎の骨の中を「下歯槽神経」という、下の歯の感覚を司る『下歯槽神経(かしそうしんけい)』が通っています。骨を切断する際にこの神経を直接触ることになるため、術後に下唇や顎先に一時的な痺れや感覚の鈍さが出ることが多いです。多くは数カ月で回復しますが、一部に感覚が残ることがあります。
- 顎関節への影響。
- 骨を移動させる際に、顎関節の位置が微妙に変わってしまうことがあり、人によっては術後に顎関節に雑音や痛み(顎関節症の症状)が出ることがあります。
下顎のほぼ中央を縦(垂直)方向に骨切りして、関節部と歯列部の骨に切り割します。主に受け口の矯正のみに特化して下顎を後方に移動させる手術です。SSROのように「顎を前に出す」ことを基本的にはできません。
メリット
- 下歯槽神経の知覚麻痺リスクが低い。
- 神経を傷めるリスクが比較的低いため、術後にしびれや麻痺が生じる確率がSSROに比べて格段に低いです。
- 移動した骨の安定性が高い。
- 移動した骨を固定する手術を別途行いますが、術後に骨同士の位置がズレにくく、長期的に安定した治療成績が得られます。
- 手術時間が比較的短い。
- SSROよりも手術操作がシンプルで、出血量も少ない傾向にあります。
デメリット
- 「顎を下げる」場合にしか使えない。IVROは下顎を後方に移動させる手術に特化しています。SSROのように「顎を前に出す」ことは基本的にできません。受け口の矯正のみが適応です。
- 顎間固定(口が開かない状態)が必要。IVROは切った骨をプレートやネジで固定しません(強固な固定ができません)。そのため、術後に上下の歯のワイヤーで固定する「顎間固定」の期間(2週間程度)が必要になります。固定中は流動食のみ、会話もしにくいといった不便があります。
- 日常生活への影響が大きい。固定期間中は口が開かないため、食事は流動食のみ、会話もしにくいといった不便があります。
- 骨の接触面積が少ない。SSROと比べると骨同士が接触する面積が少ないため、骨が完全にくっつくまでに時間がかかることがあります。SSROよりも周囲の組織のリハビリ(口を開く練習)の期間が少し長くなります。
顎の先端(オトガイ部)の骨の切り替え。前後に出したり引っ込めたりして、フェイスラインを整えます。
咬み合わせの改善を目的にはならず、横顔(Eライン)の美しさを整えるために、他の手術に併用されることが多いです。
メリット
- 横顔(Eライン)が劇的に整う。顎先を前に出したり、後ろに下げたりすることで、鼻先と顎先を結ぶライン(Eライン)が整い、横顔のバランスが美しくなります。
- 顔の長さの調整ができる。顎先の骨を短くしたり、逆に方向に移動させ長くしたりできるため、「顔が長い・大きい」、「顎が短すぎる」といった悩みを解消できます。
- 左右の非対称改善。顎先が左右どちらかにズレている場合、正しい位置に移動させることで、顎のセンターラインを整えることができます。
- 永久な効果。自分の骨を移動させて固定するため、シリコンプロテーゼ(人工物)を入れる場合と異なり、ズレたり置換したり、劣化するリスクがなく一生続きます。
- 傷跡が目立たない。他の手術と同様に、すべて口の中から切開するため、顔の表面に傷が残ることはありません。
- 呼吸機能の改善。オトガイ部が前方に移動することで舌骨が前方に移動し拡张するので、呼吸機能が改善されます。
デメリット
- 知覚神経麻痺(しびれ)のリスク。手術には「オトガイ神経」という、下の唇の感覚を伝える神経が通っています。骨を切除する際にこの神経の近くを触るため、術後に下唇両端にしびれや感覚の鈍さが出ることがあります。多くは数カ月で改善しますが、稀に一部が残る場合もあります。
- 骨吸収と骨の貧弱化の可能性。顎の骨を大きく切り縮めしたりした場合、骨の容積が減ることで、両側の皮膚や筋肉がたるみやすくなり、顎の下にたるみ(二重顎のような状態)が出ることがあります。
- 「咬み合わせ」は改善しない。オトガイ形成術はあくまで「顎先の位置を変える」手術で、歯の咬み合わせを治す効果はありません。咬み合わせに問題がある場合は、必ずSSROやル・フォーI型などと組み合わせる必要があります。
- 術後の腫れ。顎先には血流が豊富なため、術後1〜2週間は強めの腫れが出ることがあります。
特徴:前歯の前部分だけを骨ごとブロック状に切り離し、小臼歯の抜歯後スペースを利用して後ろに下げる方法です。
主に重度の「出っ歯」や「口ゴボ」の部分的な改善のために使われます。
メリット
- 口元の突出(ロゴボ)の部分的な改善。前面の骨をダイレクトに後ろへ下げるため、出っ歯や口元の盛り上がりが手術後すぐに改善できます。
- 奥歯(5番以降)の位置を変えないため、もともと奥歯の咬み合わせが良い人が手術後の咬み合わせの狂いが最小限で済みます。
- 矯正期間が短い(あるいは不要な場合もある)。矯正治療期間が短く、時には矯正治療なしで手術だけで同等の結果が得られる場合もあります。
- 全体を動かす手術(SSROやル・フォーI型)に比べると手術の侵襲(体への負担)が少なく、入院期間も数日〜1週間程度と短めです。
デメリット
- 健康な4本目の歯を抜く必要がある。骨を下げるスペースを作るために、左右の小臼歯(4番目)を合計4本抜く必要があります。
- 歯の間に隙間が残ることがある。後退した骨と隣接する骨との間にわずかなスペースが残ることがあり、これを埋めるために歯科的な処置が必要になる場合があります。
- 後退した突出感(しゃくれ感)が残る可能性がある。前面だけを下げた場合、顎の先端(オトガイ)が取り残されて目立ってしまうことがあります。これを防ぐために「オトガイ形成術」を併用することもあります。
- 「的な交流」への影響。歯の移動の際に、顎部付近の神経が刺激されやすく、手術後に歯が動いたり、相隣接歯が必要になるリスクがあります。
- 全体の状態を変えるという意味のメリットが少ない。多くの場合、矯正治療だけで同様の結果が得られます。
奥歯(臼歯)部をブロック状に切り離し、上方へ押し上げる方法です。
奥歯が下がってきており、前歯の咬み合わせが「開咬(オープンバイト)」の改善に用いられます。
上顎の奥歯の部分をブロック状に切断して上に押め込むことで、下顎が前回して閉じやすくなり、前歯が咬み合うようになります。
「骨を切り離して移動させる」のではなく、骨の表面の薄い層(皮質骨)だけに切れ目を入れる方法です。
「スピード矯正」の補助として行われます。
段階別平均治療期間
症状より治療期間は異なりますが、目安としての各治療段階における平均治療期間は以下のようになっています。
手術で顎を移動した状態を想定して、歯並びを整えます。
平均治療期間12〜18カ月
骨格異常を治療する外科的手術を実施します。
平均治療期間全身麻酔下で4〜5時間
術後の経過観察と安静のために入院が必要です。
平均治療期間10日間程度
手術後、咬合の緊密化を計ります。
平均治療期間6カ月程度
正常な歯列位置の維持と咬む機能の回復を行います。
平均治療期間24カ月程度
移動した骨格を固定していたプレートを撤去します。
平均治療期間3〜4日の入院
| 治療段階 | 治療概要 | 平均治療期間 |
|---|---|---|
| 術前矯正科矯正治療 | 手術で顎を移動した状態を想定して、歯並びを整えます。 | 12〜18カ月 |
| 外科手術 | 骨格異常を治療する外科的手術を実施します。 | 全身麻酔下で4〜5時間 |
| 術後入院期間 | 術後の経過観察と安静のために入院が必要です。 | 10日間程度 |
| 術後歯科科矯正治療 | 手術後、咬合の緊密化を計ります。 | 6カ月程度 |
| 保定 | 正常な歯列位置の維持と咬む機能の回復を行います。 | 24カ月程度 |
| プレート撤去 | 移動した骨格を固定していたプレートを撤去します。 | 3〜4日の入院 |
治療費/高額療養費制度
治療費

顎変形症の治療には健康保険が適用されます。
治療費は、健康保険の負担割合、症状によって異なりますが、平均的な治療費(自己負担金額)は以下の通りになっています。
治療費が高額になる場合は、高額療養費制度を申請することで金銭的負担を軽減することが可能です。
高額療養費制度の申請はご自身で行う必要がありますが、必要書類、申請方法等、センタースタッフがサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。
| 症状 | 病名 | 健康保険適用(3割負担) |
|---|---|---|
| 出っ歯・ロゴボ | 上顎前突症 |
高額療養費制度の適用対象(下記3項目):
上記3項目の費用は高額療養費制度が適用されます。 合計 350,000〜450,000円 ※上記金額は、患者さんが実際に負担する平均的な金額ですが、あくまで平均であり症状、処置内容等により前後する場合があります。 |
| 受け口 | 上顎後退症 | |
| 開咬 | 開咬症 | |
| 顔面非対称 | 側方発育異常 |
高額療養費制度
高額療養費制度とは、「医療費がどれだけ高額になっても、一定上限は自己負担しなくてよい仕組み」です。
1カ月(同1月分)に支払った医療費が一定額を超えた場合、その超過分が後から返金されます。
申請はご自身で行う必要がありますが、必要書類、申請方法等、センタースタッフがサポートしておりますので、お気軽にご相談ください。
年齢や所得によって自己負担の上限額が決まっています。
入院や手術などで医療費がなくなった場合に利用できます。
事前に「限度額適用認定証」を発行すれば、窓口での支払い自体を上限までに抑えることも可能です。
例)医療費が100万円かかった場合も、実際の自己負担は数万円〜十数万円程度で済むケースが多いです。



